「花粉と黄砂、そしてカーポート」

「花粉と黄砂、そしてカーポート」

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はじめに

春の風物詩、花粉と黄砂の季節、皆様如何お過ごしでしょうか。絶賛アレルギー発症中の方、目下治療中の方、喉の奥が痒い日々の方。辛いですが、頑張りましょうね。。。そして今回は、花粉や黄砂でツラいのは人だけでは無いという話です。ぇ、誰が辛いんですか。屋外で花粉と黄砂に晒されながらも声を上げずに我慢している…愛車ちゃんです。

「花粉と黄砂」の話

ちょっとググれば出てくる話ではありますが、少しだけ書かせてください。花粉がアレルギー反応を引き起こすのは、花粉が飛んでいる時ではなく、何処かに着地した時でもなく、水に触れた時です。水分に触れることで花粉の膜が割れ、流れ出したアレルギー物質を異物と認識した免疫機構によってアレルギー反応が引き起こされます。鼻粘膜や喉に症状が表れるのはそのためです。花粉症のもっと詳しいメカニズムについては耳鼻科の先生が教えてくれます。

ここでの要点は、花粉は乾燥した状態では「まだ」アレルギー物質を放出していないと言うことです。

 

次に黄砂です。元々は砂漠の砂だそうですが、偏西風に乗って大気圏を旅してくる間に大気中の様々な物質を纏って低層圏に降りてきます。この纏わり付いた物質が曲者で、身体に及ぼす影響については専門の呼吸器内科の先生が教えてくれますが、黄砂飛来のシーズンと花粉飛散のシーズンが重なることから、花粉で弱っているところに黄砂が運んできた物質がダブルパンチを喰らわせると言うなんとも痛ましい事象が起きています。

ここでの要点は「ダブルパンチ」です。

人が感じる「花粉と黄砂」

主に気象庁が公開している予報図を拾ってきました。

3月末のヒノキ花粉の飛散予測と、

4月下旬の黄砂予報図です。

上記二つに併せて、4月下旬のPM2.5予測図も重ねてみました。

春、上空には常に何かしら飛んでいる様子がよく分かります。

 

人体の場合、花粉と黄砂のシーズンには免疫機構が反応してアレルギー反応を起こします。アレルギー反応まではいかずとも、視界不良や、洗濯物に花粉や黄砂がつく、自転車や車に積もってザラザラするなど、感覚的に認識されている方も多いのではないでしょうか。

物言わぬ愛車の場合

お車の場合、どんな影響を受けるのでしょうか。ココガーデンエクステリアはあくまでもエクステリア屋であって、自動車製造業ではありませんし板金塗装業でもありません。その方面にはズブの素人です。なので車体の表層でどんな戦いが繰り広げられているのか科学的な説明はできません。ですが、自家用車を有する1ユーザーとして実感しているのは、「花粉も黄砂も車体に優しくない」と言うことです。ココガーデンエクステリアの商圏は四日市市や菰野町など三重県北中部を中心としていますが、この三重県ではほとんどのご家庭で「車は一人一台」と言っても過言ではない車社会です。自分や家族の車を洗車する時、どうもこのシーズンは洗車が大変やなぁ…と思っておられないでしょうか。洗車機入れても落ちない汚れ…手洗いでも頑固な汚れ…なんなんコレ?まぁいいか時間ないし、一応洗ったし。って諦めていたのは自分です。その諦めが車を傷めているなんて車は教えてくれません。物言わぬ愛車ちゃんです。察してあげるしかないのです。

察してあげるしかない車のキモチ

では愛車ちゃんの置かれた状況を察してみましょう。今回は「花粉と黄砂」をメインテーマとして察していきたいと思います。

花粉シーズンが到来しますと、花粉が飛来して車のボンネットやルーフといった車体の表面に着地します。この時点ではまだ洗濯物に付いた花粉と同じ状態です。洗濯物であれば取り込む前にパタパタして花粉を落としてあげます。車は?パタパタしないですよね。花粉のシーズンは季節の変わり目「大気の状態が不安定」な時期ですので、よく雨が降ります。花粉が積もったところに水分です。花粉は水分に触れることで外膜が破れ、アレルギー物質が流れ出します。この流れ出るアレルギー物質にはタンパク質も含まれます。タンパク質汚れが落ちにくいのはよく知られています。放置すればするほど落ちにくくなり、しかも塗装面やコーティング面を荒らします。花粉がお車全体に満遍なく着地していれば、車全体の表層が荒れると言うことです。

そんな荒れた表層面に今度は黄砂が着地します。とても引っかかりやすい状態と言えるかもしれません。黄砂に纏わり付いた物質も長時間表面に留まることになります。ちなみに既にタンパク質が乗っていますから、そこに黄砂が着地することで、何らかの化学反応が起きていても不思議ではありません。弱っているところにダブルパンチです。

ただでさえ太陽の下、紫外線に晒され続けるだけでも劣化する塗装面です。紫外線、花粉と黄砂に降雨、もしかしたら雹。考察の結果、愛車ちゃんは実に過酷な環境にいると言わざるを得ません。オーナーは「なんだか洗車が大変」と感じる程度かもしれませんが、物言わぬ愛車ちゃんは人知れずじわじわとダメージを食らっています。嗚呼ツラみ。

「そしてカーポート」の話

コチラ、最近のカーポート代表「LIXIL カーポートSC」です。個人的にはもっとバズってもいいと思っています(個人の感想です)

さてここからは、エクステリア屋的に本題であるカーポートです。これだけ語っておいて何故カーポートなのでしょうか。花粉と黄砂は風に乗り風に吹かれて舞ってくるのですから、屋根だけのカーポートがあっても無意味じゃないですか?仰る通りです。主にカーポートが「防いでくれる」のは重力に従って上から下に落ちるモノです。風に乗ってユラユラと大気中を漂ってくる黄砂や花粉にカーポートって意味あんの?むしろここはガレージ推しじゃないの??はい、正直、いろんな意味でガレージ最強説は揺らぎません。なので、状況としてガレージを設置することが可能であるのならばガレージをお勧めしたいです、ええ!でもこのページで敢えてカーポートをお勧めする理由とは。ぶっちゃけ「お手軽だから」です。

ガレージに比べてカーポートはお手軽です。お値段も工期も車庫入れも。年間殆ど走行せず、限られたシーズンのお天気の良い日に「お出かけする時だけ」走らせるクラシックカーのような愛車であれば、それはもう怒涛の勢いでガレージをおススメ致しますが、多くのドライバーにとってマイカーは「普段使い」です。毎日、通勤にお買い物に、送り迎えに、日々出庫と車庫入れを繰り返します。雨の日も風の日も花粉の日もです。普段使いする以上は、嫌でも花粉と黄砂を浴びて帰ってきます。外出中に雨が降れば車は濡れて帰って来ます。そういう意味では、お家の車庫が屋根だけのカーポートであるか、箱型のガレージであるかは、あまり大きな差を生みません。

人は、外出先で花粉や黄砂を付けてお家に帰ってきたら、お風呂に入ります。洗い落とします。服も、洗います。車は、いつ洗いますか?車の花粉と黄砂は、いつ洗い落としますか?毎日ではないと思います。でも、いつか洗います。どっちにしろ洗うのです。ならば、お手軽な選択肢もアリなのでは、と考える次第です。

結局のところ洗車はしなきゃいけない

いや、どうせ洗うんやったらそもそも屋根要らんやん?いえ、それでも屋根が欲しい理由はあります。前述の「重力に従って上から下に落ちる」の法則です。花粉や黄砂で車体の表層面が荒れると書きましたが、興味深いことにその被害の殆どはルーフ、ボンネット、フロントガラスです。セダンタイプであればリアウィンドウとトランクも含まれます。つまり「お空に向いてる面」です。それに比べて側面となるドアやフェンダー部は割と軽傷とされます。言い換えれば「側面よりも上面のダメージが大きい」ということです。おそらくですが、側面に比べて上面は花粉や黄砂がとどまり易く積もりやすいのではないかと考えています。雨もまた然りです。

それら落ちてくるものや「積もる」要素をゼロには出来なくても、比較的お手軽に、ある程度軽減してくれるのがカーポート、というわけです。

汚れを溜めた分だけ落とすのが大変

ちょうど花粉と黄砂の時期に三日程、屋外に停めていた車のリアウィンドウです。大雨にも遭いました。条件としては、花粉・黄砂・雨の三拍子。車の表層が荒れる要素しかありません。軽く水洗いをしました。

こちらはウィンドウ撥水コーティングを施してありますが、右半分は表面に着地した花粉と黄砂のため、撥水しておりません。親水状態に見えますが、触ってみると、油分に似た手触りです。一体どんな物質が舞い降りてきているのでしょうか。左半分は水洗いのあと強引にスポンジで擦ってみました。表面の汚れは取れているようで、撥水しているのが分かります。

三日でこの有様です。雨ざらしな愛車ちゃんはこの時期、特にこまめなメンテナンスを必要とするようです。

おわりに

近年はハイルーフなワゴンやミニバン、SUVが流行りです。軽自動車でも室内空間の大きい車種が人気です。背の高い車が多いです。普段目につかないので、じっくりルーフを観察する機会はあまりないかもしれません。ですが、車種に関わりなく屋外は車にとって優しくない要素が多々ございます。今回は花粉と黄砂をメインテーマにして参りましたが、それだけではございません。自然環境の厳しさから窃盗に至るまで。青空駐車は昔よりも一層、過酷な環境になりました。「お家にいる間だけでも守ってあげたい」という気持ちはカーポートもガレージも同じです。最近のカーポートの位置づけはもう「贅沢品」ではなくなりました。車は決して安くありませんが生活の中ではもはや必需品です。カーポートは車ほど高くはないけれど、必需品を守るひとつの選択肢です。そろそろあってもいいかなというタイミングに、お役に立てれば幸いです。