テラス屋根の選び方

テラス屋根の選び方

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はじめに

そもそもテラスとは「高台・盛土」の意味であり「住居の1階リビングから続く、地面よりも一段高いスペース」の事で「屋根の有無は問わない」のだそうです。つまり床の事ですね。当HPでは同義の床の事を【デッキ】と呼んで参りました。何故か。エクステリア製品でテラスと言えば屋根の事を指します。カタログもチラシも、テラスと言えば屋根です。ですが外構土工も行う弊社や一般のユーザー様にしてみると、テラスは床の事を指している場合もあります。業界用語のややこしいところです。ですので、敢えて床を【デッキ】と呼び、屋根を【テラス屋根】と呼び分けています。このページでは屋根・庇のことを【テラス屋根】としてご紹介して参ります。

テラス屋根の需要

テラス屋根が欲しい理由で最も多いのは、洗濯物干し場という需要でしょうか。太陽光で洗濯を干したい気持ち、よく分かります。部屋干しとは明らかに違うので、あわよくば殺菌効果もあるんじゃないかと思ってしまいます。お日様にあてて干したお布団はフカフカになるし、寝床に入るまで暖かいものです。ですが、通り雨は予告なく突然降り始めます。せっかくカラッと乾く予定だったお洗濯もの、フカフカになるはずだったお布団…雨に濡れたらテンション駄々下がりです。せめて、家に帰るまで、雨を凌いでくれる屋根があればいいのに。テラス屋根の出番ですね。

テラス屋根を自転車置き場にしたいというお声もあります。ママチャリは勿論、通勤や通学用自転車にも電チャリが普及してきたこの頃です。電チャリですよ。電動式ですよ。雨ざらしはマズくないですか。いや、普通の自転車でも、雨に濡れるとやたら具合が悪くなります。ドライとウェットで運転時コンディションが変わるのは車と同じですがリスクは少ない方がいいです。そして決して安くない電動自転車を屋外放置するには少々物騒なご時世。出来ればちゃんと仕舞うところ欲しい。いわゆるサイクルポートを作る方法もアリですが、テラス屋根にオプションで前面パネルや袖壁をつけて雨風凌げる収納スペースを作る方法もあります。エクステリアには色んな手がありますので、用途がはっきりしていれば「洗濯もの干し場、兼、自転車置き場」といった具合に機能性を併せ持つ空間を作ることも出来るでしょう。
テラス 前面パネル 竿掛け

テラス屋根の種類

テラス屋根の種類に、F型とかR型とか記載されている事があります。これは屋根の形状を表す表記方法です。どちらが良いというよりは、どちらが現場に適しているかで選択されるとよろしいかと思います。特に変形地への施工を検討されている場合にはF型であれば台形加工が出来たりもします。エクステリアメーカーが提供しているテラス屋根は殆どがアルミ形材で出来ています。一見、木目調に見えるラッピングを施した商品もございます。色・柄が豊富なので、お家に合わせた意匠をお選びいただけます。屋根材についてはポリカーボネート板のものが主流です。【カーポートの選び方】でもポリカーボネートについて触れました。カーポートの屋根は必ずしも透過性素材である必要はないとのことでした。ですが、テラス屋根の場合はちょっと事情が違います。これも用途に因りますが、お洗濯ものを干したいのに、太陽光を遮断してしまっては陰干ししかできません。日に当たる方が断然乾きが違いますから、お洗濯優先であれば透過性素材、即ちポリカ屋根が適しているということになります。そして、テラス屋根はリビングなどの窓の外に設置されるケースが多く見られます。窓の外に遮蔽素材の屋根をつけると、お部屋の中が暗く感じられます。ですのでテラス屋根には基本的にポリカーボネート製の屋根が採用されています。しかし、やはりポリカ屋根の透過性からして「屋根の汚れが下から見える」のは変わりません。例えば玄関先の庇として使いたい場合など、太陽光を遮蔽しても差し支えない用途であれば、アルミ製の屋根にすることも可能です。特注対応が可能な場合もありますのでお気軽にご相談ください。
玄関前庇 アルミ屋根 完成

選ぶときに気を付けたいこと

昔は、あまり問題にならなかった、というより、普通の事だったのですが、テラス屋根は通常、躯体(外壁)に垂木掛けという部材を打ち付けて屋根枠を取り付けます。柱は屋根の先端を支えるものです。それがスタンダードでございました。これが「新築の壁に穴開けるなんてあり得ない」となったのは平成も中後期頃でしたでしょうか。これにも理由がございます。主に住宅事情の変化でありますが、ハウスメーカーさんの住宅保証が関係します。意図的に外壁に孔加工された場合、ハウスメーカーの外壁保証が効かなくなるのだそうです。先述の「垂木掛け」の打ち付けはまさしくこれに該当します。せっかくの新築、せっかくの保証が切れるのは、やっぱり気が引けます。じゃあテラス屋根は諦めようか。でも、屋根欲しいよね。そんなユーザー様のご要望に応えるべく、昭和発祥のココガーデンエクステリアは色々と画策しては現場対応して参りました。最近ではエクステリアメーカーから「外壁に穴をあけずに施工できるテラス屋根」が多種類発売されております。テラス屋根を選ぶときには、取り付ける場所、住宅保証なども考慮した上で、現場に適したアイテムを選択されることをお勧めします。
設置場所については、降雪地の場合「大屋根の下には設置しない」事が鉄則です。大屋根からの落雪によってテラス屋根が破壊される事があります。これはアルミ形材のカーポートでも同じことが言えます。落雪は一度に大量の雪が勢いつけて落っこちてくるので、重みに耐えられない場合があります。他にも風の通り道であれば、強風が吹き抜けるたびにテラス屋根が振動して「ビビる」という現象が起きます。この音は慣れればなんてことないのですが、最初は驚かれるかもしれません。慣れたとしても「うるさいな、今日は風が強いんだな」位には感じられます。菰野・四日市周辺は、鈴鹿颪と名前がつくほど、山脈からの強い風が吹き降りる地域です。設置場所を検討する時には風当たりも念頭に置いておかれるといいかもしれません。
独立テラス 床土間コンクリート

屋根と床はセットで計画するといい理由

さて、テラス屋根の種類が大体決まったら、忘れないで頂きたいのが、床はドースル問題です。地面は土のままでいいですか?砂利のままでもいいですか?勿論、現状のままの方がいい場合もあるでしょう。ケースバイケースです。ここでもやはり「何に使うのか」用途に応じて考えてみてください。自転車置き場にするなら、床を土間コンクリートにするという選択肢もあります。お洗濯物干し場であればデッキを作るのもいいでしょう。床も施工範囲となりますと、テラス屋根と床の施工は同時に進行します。特にアイテム同士が干渉する納まりの場合はそれぞれ兼ね合いがありますので、床を作りつつ同時に屋根も組み上げるパターンが殆どです。正直なところを申し上げますと、床が出来上がっているところにテラス屋根などの上物を取り付ける場合、しかも柱が既存品に干渉する場合が、施工としては難儀でございます。干渉部分を壊して加工して直すことになりますので、場合によっては見た目に美しくないこともあるかもしれません。【デッキの選び方】でも少しだけお伝えしていますが、やはり屋根と床はセットで計画なさるのがおススメです。
既存テラス デッキ

おわりに

ロングな長文にお付き合い頂きありがとうございます。お疲れ様でした。ここまでお読みになって「よっしゃ!今すぐテラスを作ろう!」と決意された方はそういらっしゃらないでしょう。むしろ「ウチの場合はどうなんやろ?」とお考えかもしれません。確かに同じ現場、同じ環境は二つとございません。あっちの現場では大丈夫でもこっちの現場ではアカン。なんてこともよくあります。そしてモノにはメリットもあればデメリットもあるものです。利便性だけを求めることは出来ません。ですのでノリと勢いではなく、メリットもデメリットもひっくるめてじっくりお考え頂きたいと思います。その上でココガーデンエクステリアをお選び頂けるのであれば、全力でサポートさせて頂きたいと思っています。